ひぐらしのなく頃に礼:賽殺し編

uptoありがとう。

昔々。

神様が人間の前に姿を現していた頃のお話。





天よりパンが降ってきた。

ある者はなぜ肉ではないかと大いに嘆いた。


天より肉が降ってきた。

ある者はパンが良かったと大いに嘆いた。


天より神様が降りてきた。

全員が喜ぶ物がわかるまで、当分は水を降らせます。





天より雨が降ってきた。

みんなは服が濡れると大いに嘆いた。


天より炎が降ってきた。

みんなは家が焼けると大いに嘆いた。


天より神様が降りてきた。

全員が喜ぶ物がわかるまで、何も降らせないことにします。





天より何も降ってこない。

ある者は神に見捨てられたと大いに嘆いた。


天より色々降ってきた。

ある者は降らせる物を選べと大いに嘆いた。


天より巨岩の雨が降ってきた。

これでようやく嘆きの声はなくなった。





天より雨が降ってきた。

通りすがりの旅人は感謝する。


神よ、予期せぬ天気に感謝します。

お陰で我が旅路は退屈せずに済むのです。


神は応えずに見送った。

それでいい。神とサイコロは無口でいい。

Frederica Bernkastel

いいお話でした。

ちょっと残酷かもしれないけど

それは選り取りできる立場からの物言いであって、本来はそんなものじゃない。

当たり前なんだけど、「今の人生をやり直せたらなぁ」と思う人は多い。(以前にも書いたが)

こういうお話に出逢えてよかったと常々思います。